2006年08月01日

時をかける少女

 アニメ映画だと上映館の関係ではるばる遠征して観なければならないことが多いが、今回は運良く地元の平塚で観られることに感謝。参考までに平日の平塚はガラガラで自分が観た時は20人くらい。8/4迄。
 視聴者としての自分は、原作既読思い入れゼロ。大林版実写も思い入れゼロ。良く引き合いに出される耳すまも思い入れゼロ。細田守の名をハウルで初めて知ったヌルいアニオタで同監督作品は全て未見。ネットでの評判はマイナー映画にありがちな過大評価では?という期待値50%程度の懐疑的な目で鑑賞開始。
 いざ映画が始まると、いかにも低予算なTVアニメ調に多少困惑する。どうやらアニメ映画=緻密なCG描きこみの大作志向に目が慣れてしまったらしい。また声優の演技も決して上手くなく、2時間頑張って付き合うかあ、と覚悟を決める。それから2時間後・・・背景素晴らしい!声もキャラクターにマッチしてる!になってるから不思議なものだ。
 物語への引き込み方が巧みで、観ているうちにぐいぐいと作中に引っ張られる。脚本が素晴らしく良い。続編という形で原作とリンクさせた別個のリメイクだが、原作を上手く調理したというよりも美味しいエッセンスだけを抽出した印象。監督の作りたいものが「時をかける少女」という題材にちょうど迎合したから生まれた物語だと感じた。独立した作品としても充分に面白いが原作を知るとより楽しめる。しつこく言うがまさにこの巧みな脚本あっての面白さ。演出も申し分なく、タイムリープを生かした天丼ギャグも実に上手い。そしてキャラクター。原作以上に「時をかける少女」というタイトルに相応しく、時を駆けて駆けて駆けまくる主人公の元気溢れる姿に思わず心を奪われる。
 傑作と言うほど突き抜けてはないが、脚本、演出、キャラクターのどれもが魅力的な、観て損はないと断言できる秀作。爽やかで楽しくて少し切なくて、作品に力があるからこそ出来る直球のエンターテイメントである。映画として純粋に面白いが、やはりこの季節、鑑賞後に劇場を出て青空を見上げた時の気分を味わって欲しい作品。

2006年08月01日 映画感想 トラックバック:0 コメント:0